紳士淑女の嗜み

単体考察から構築案までポケモンに関するあれこれ。ご連絡は@mose_catまで。

S5全国ダブル - デスオング改

 

よくわかるデスオングの解説

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デスオングとは

デスカーンうそなきをしてバクオングばくおんぱを打つ、又はデスカーンサイドチェンジをしてお互いの弱点を無効化して殴る並びのこと。

 

 

6世代のデスオング

メガサーナイトメガボーマンダニンフィアといったポケモンが使用するハイパーボイスメガゲンガーが使用するほろびのうたに耐性があるバクオングが動かしやすかった。ルカリオと並べることでデスカーンでほぼ確実にトリックルームを展開できる。その一方でトリルのサポートをしつつモロバレルのケアをするのが難しい環境だった。そのため、ぼうおんユキノオーやラムのみカラマネロなどが構築に入ってきていた。

 

7世代のデスオング

カプ・コケコの登場でフリーフォールによるトリックルームの補助とモロバレルのケアを両立できるようになり、メガシンカの仕様の変化でルカリオをメガ枠として採用すれば広い範囲に対応できる初速を手に入れた。また、バクオングの隣に並べるポケモンとして強力なゴースト打点を持ち、きんぞくおんでばくおんぱのサポートもできるダダリンが登場した。その一方でメガサーナイトの解禁が遅れ、ニンフィアが数を減らし、Z技の登場でデスカーンが一撃で倒される確率が上昇した。また、数こそ多くないがミミッキュの処理が遅れやすい。

 

こんな感じです。あたかもメジャーな並びのように話をはじめていますが、6世代における使用者は考案者である、えすてる、ゆとり、及びその知り合い以外にはほとんどいなかったと思います。そもそも構築を考えたきっかけは6世代のS6,S11のスペシャルレートである上位禁止ダブルでした。

サンムーン環境が始まって間も無く、私はデスオングが7世代でも通用することを確信していました。その一番の理由は6世代から存在したCHALKという並びが強いという認識にそこまで変化がなかったことです。それに加えて、カプ系統がもたらすフィールドの効果はどれもデスオングにとっては基本的に追い風であり、強力なパートナーも増えました。

一応次のシーズンでサンムーン環境が終わってしまうということで、7世代環境のひとつの集大成として、発売当初からずっと考察してきた構築を公開しようと思った次第です。全国ダブルに興味を持った人が最終シーズンに使ってくれたらという思いもあります。

 

個別解説

 

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種族名:カプ・コケコ

性格:おくびょう

実数値:145-121-105-147-96-200

努力値:0-*-0-252-4-252

特性:エレキメイカ

持ち物:シュカのみ

技構成10まんボルト ボルトチェンジ マジカルシャイン フリーフォール

 

トリックルームの補助、パーティ全体にモロバレルの胞子耐性の付与ができる。フリーフォールはトリックルームのサポートだけでなく相手のギミックを妨害することもできる。相手のリザードンYとの対面で役割を遂行するために、隣にいるスカーフランドロス地震で倒れないようシュカのみを持たせている。

展開を遅らせるために相手がなかなかこちらを倒してこない場合など、トリル展開後に場に生き残ってしまっても、後攻ボルトチェンジからエースを繰り出せる点が良い。トリルが切れた終盤に、削れた相手を上から縛れる点も評価が高い。 

 

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種族名ルカリオ

性格:ようき

実数値:177-131-90-*-90-156

努力値:252-4-0-*-0-252

特性:せいしんりょく

持ち物きあいのタスキ(こだわりスカーフ)

技構成インファイト このゆびとまれ いのちがけ フェイント

 

とくせいのおかげでねこだましをされても動くことができ、いのちがけ、このゆびとまれによるサポートが行える。

役割遂行の確実性を高めるならきあいのタスキがもっとも安定するが、3:3かつトリルを展開した状態から対戦を始めた場合の勝率が高いこだわりスカーフを序盤は好んで採用していた。しかし、WCSルール等でスカーフいのちがけルカリオの存在が比較的メジャーになったこと、きあいのタスキを切った選出や行動が相手視点では最善になりやすいことに気づき、きあいのタスキに落ち着いた。単純に技を打ち分けられるのは強力で、任意のタイミングで自主退場やサポートができるので使いやすかった。

Aに4振っているのは無振りガルーラがメガシンカせずにデスカーンをきもったまねこだましで止めに来た時に、インファイトで突破できる確率を少しでも高めるため。

ねこだまし+デスカーンを一撃で倒す技を持つポケモンの並びが見える場合は絶対選出だが、同じくサポート要員として採用しているカプ・コケコも優秀なため以前と比較して選出率は控えめになった。

 

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種族名バクオング

性格:れいせい

実数値:189-*-100-157-99-65

努力値:76-*-132-252-44-0(S個体値は0)

特性:ぼうおん

持ち物:いのちのたま

技構成:ばくおんぱ なみのり かえんほうしゃ まもる

 

デスカーンと並べた時の制圧力が極めて高い。

等倍相手をうそなきとあわせて無理やり突破していく動きが単純に強い(H振りのみの177-150のカプ・レヒレであれば中乱数で飛ぶ程度のパワー)。

しかし、自身の耐久は決して高くないため、半減相手が複数いて処理が遅れるとトリルターンやHPが足りなくなりやすいので、ダダリンをうまく動かして圏内にいれるか、選出時点でのメガバクーダとの棲み分けを考える必要がある。

環境に一定数存在したほろびのうたをギミックとした構築に一方的に強いのも良い。

 

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種族名デスカーン

性格:なまいき

実数値:165-*-166-115-172-31

努力値:252-*-4-0-252-0(S個体値は0)

特性:ミイラ

持ち物:メンタルハーブ

技構成トリックルーム サイドチェンジ うそなき シャドーボール

 

バクオングと並べた時のサポート性能が極めて高い。

単純にシャドーボールの一貫や、追加効果のとくぼうダウンが強く、サイドチェンジによるタイプ相性の補完やうそなきによるばくおんぱの一貫を作り出すことができる。

7世代に入って高火力特殊技を持つポケモンが増えたので場持ちをよくするためにHDに振り切った。

また、6世代までのデスオングにはなかった動きでひとつ非常に画期的なものがあり、それは「カプ・コケコのフリーフォール、もしくはダダリンゴーストダイブ中にサイドチェンジを使用し、何もいないところにデスカーンを動かして相手の単体技を回避する」というものである。もちろん行動順にもよるが、相手視点ではポケモンがいないところに向けて技を選択しなければいけないというリスキーな択を迫る(実際はほとんどの人が知らないので避ける)ことができるようになった。単純に数的不利をとりたくない、全体技のダメージを軽減したい、というときに使えるギミックなので重宝した。これによって、サイドチェンジという技は優先度の低さやその不確実性からこのゆびとまれの劣化になりがちだったが、優先度が+2になり必ずしもそうではない場面に遭遇する機会が増えた。

 

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種族名ダダリン

性格:ゆうかん

実数値:175-201-120-*-113-40

努力値:236-252-0-*-20-0(S個体値は0)

特性:はがねつかい

持ち物:ゴーストZ

技構成ゴーストダイブ パワーウィップ ヘビーボンバー きんぞくおん 

 

バクオングバクーダが倒せないポケモンを倒すことができる。CHALK-Fに対しても強く、特にトリル展開後にクレセリアにトリルを返させないためにもバクオングよりも優先して場に出しておきたいポケモンである。

ばくおんぱを受けないため単純に横に並べやすく、ゴースト高打点による鋼タイプへの削りや、きんぞくおんによってばくおんぱの一貫を作り出すことができる。ねこだましによるターン稼ぎをされない点もトリルエースとしては評価が高く、それゆえまもるを採用していない。トリル最終ターンにゴーストダイブを打てるように残りターンを考えて場に出しておきたい。ふいうちが抜群で通ってしまうが、サイドチェンジと組み合わせれば失敗させられるのでそこまで気にならなかった。

メレラキやツボラキを崩そうとする際にもきんぞくおんやヘビーボンバーは鍵になってくる。

この構築の実質的なエースであり、Zを持っているので選出率はデスカーンについで高い。 

 

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種族名バクーダ

性格:れいせい

実数値:177-*-91-172-95-50

努力値:252-*-4-252-0-0(S個体値22)

特性:マグマのよろい→ちからづく

持ち物バクーダナイト

技構成:ねっぷう だいちのちから ストーンエッジ(めざめるパワーこおり) まもる

 

途中までこの枠はコータスだったがいつのまにか解禁されていたので採用した。

バクオングが苦手とする相手に非常に強い。ただし、ヒードランには強いように見えて浮いているやつとあわせて簡単に受け回されるので、バクオングを選出するか、ヒードラン対面で強気の熱風を選択するかしかないので難しいポケモン

ただ、カプ・コケコやサンダーをはじめとする一部のポケモンへの耐性が優秀なので刺さりが良い時は出す。

Sに関してはデスカーンのうそなきの後に技を打ちたいのであえて最遅30族+1まで引き上げている。

素の耐久が低すぎてハードロックが何の役にも立たないので、とくせいはなんでもいい。ストーンエッジリザードンYやウルガモスのために採用したが、ほとんど打たなかったのでかえんほうしゃやめざめるパワー氷で良いかもしれない。

 

選出パターン

 

初手:デスカーン+ルカリオorコケコ

後続:ダダリン+バクーダorバクオング

 

純正トリパなので、これ以外の出し方はありません。また、純正トリパなのにすばやさが最遅30族を下回らないため、ミラーにおいてはむしろトリルしない方が良い場合が多いです。

選出を決定する基準も刺さっているかどうかという点のみです。

ルカリオとカプ・コケコの選択さえ間違えなければトリルはほぼ確実に展開できますが、結局のところトリルを返されるのが一番キツイです。トリル読みトリルを読んで一回トリルを押さないで様子をみるとか、展開後は返されないようにパワーで押し切れる盤面を作ることを意識しましょう。

また、きもったまねこだましデスカーンをとめてくるガルーラ対面でのルカリオの技選択は重要です。インファイトでガルーラを突破するのか、このゆびとまれで隣の技を吸うのかで戦況に大きく差が出ます。

 

・最終レート:1813(62戦41勝21敗)

 

QR

3ds.pokemon-gl.com

 

・参考

aep.hatenablog.com

mose-cat.hatenablog.com