WCS2017 - カラスビアル
どうも、ゆとりです。
最近はWCSレートで遊んでいたので、そのうちの構築のひとつを紹介しようと思います。
少し前に話題に上がっていた追い風バルジーナを使ってみた構築です。
構築ができるまで
1日目:追い風への目覚め
偉い人がS操作は大事だと言っていた→それならトリルが飽きたので追い風が使いたい
でも普通のスタンダードな追い風構築はすでに完成度が高いのが沢山あるなあ・・・
2日目:追い風のZ技
追い風のZ技ってなんなんだろう→急所率+2
急所に当たりやすくなる→急所に当てたくなる→ツボを刺激したくなる
こいつだ!
追い風と確定急所でいかりのツボを発動させられるやつを探せばいいんだ!
(追い風考察2日目にして脱線し始めたのである)
[第一回 追い風+急所ランク+1の技を覚えるポケモンオーディション]
※溜め技や味方に打てないゴッドバード、かまいたち、エアカッターは除く
いくら半減とはいえ何故A105のポケモンで確定急所一致威力100技を味方に打たなければいけないんだ!しかも命中不安かよ!ふざけるのもいい加減にしろ!
上から行動できるから追い風が打てないってことはなさそうだけど、襷を持たないと一撃で倒されそうだし先制技にも弱そうなのがダメ。
エントリーNO2.ドンカラスのつじぎり
いやお前S71だし、ワルビアルの上からツボをつかなきゃいけないってなると最速だし、ワルビアルが70族と同速になるのあまりにも弱いし、そもそも何も耐えないだろ。
ドンカラス:100-125-52-105-52-71
ACとBD入れ替えて出直してきてね・・・
エントリーNO3.ウォーグルのきりさく(シャドークローもあった)
いやだからさっきからずっと言ってるけどお前もAが高いよ。A123のポケモンで確定急所一致威力80技を味方に打たなきゃいけないんだよ。等倍だからプテラよりタチが悪いよ。普通にアタッカーとして相手を殴った方がいいよ絶対。
そう、察しの良い方は既に気づいていると思うが、このルールにおいては追い風+急所に当たりやすい技を覚えるポケモンにろくなやつがいないのだ!
しかしそこで簡単に諦める男ではなかった。
なにか急所に当てる術はないかと技一覧とにらめっこした。
すると・・・
3日目:ボーンラッシュとの邂逅
技:ボーンラッシュ
威力25/命中90
1ターンに2回〜5回連続で攻撃する。
(・・・これだ!)
まず90%で当てさえすれば2回で75%、3回目が当たれば87.5%、4回目が当たれば93%、5回目当たれば97%
命中込み+2回でも50%よりは信用できる数字だし良いか!
[結果]
バルジーナのボーンラッシュ!
しかしバルジーナのこうげきははずれた!
バルジーナのボーンラッシュ!
5回当たった!(急所には当たっていない)
なんだこのクソ技!一生使わねえよ!
4日目:強運+先制技
とくせい:きょううん
急所ランクが一段階上がった状態となり、自分の攻撃が急所に当たりやすくなる。
わざ:ふいうち
必ず先制できる(優先度:+1)。相手が使う技が攻撃技ではない場合や、優先度などの関係ですでに攻撃を終えていた場合は失敗する。
つまり攻撃するワルビアルに対して不意打ちをうつことを前提とするならドンカラスのSは無振りでも常にワルビアル+1になる・・・!
つまりドンカラスはHBなりHDなり耐久に特化できるのだ。すごい。
HSバルジーナ:217-63-125-75-116-145
HBドンカラス:207-117-114-125-73-91
HDドンカラス:207-117-73-125-114-91
・・・まあ耐久面もだいたいバルジーナだし、同じあく・ひこうタイプだし、実質きょううんバルジーナみたいなとこあるよね。
こ、これだーーーーっ!!!
5日目:展開手段
まあこういうギミック系統の構築を使うならいつものスカーフルカリオを少しチューニングすれば良いかな。
でもこのルカリオだけだと、キュウコンの壁展開とか追い風ポケモンに飛んでくる電気技とか追い風ミラーがしんどいなあ・・・。このルカリオのいのちがけのように追い風ギミックを使う以上はできるだけ早く退場してほしいんだけど・・・。
電気技を無効にできて、ねこだましがうてて、すぐに退場してくれそうなポケモン・・・。
いた(なんかこの流れどこかで)。
完成
個別解説
(ドンカラス一匹で幅をとりすぎている)
種族名 | もちもの | とくせい | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 |
ピカチュウ | でんきだま | ひらいしん | ねこだまし | ボルテッカー | かわらわり | フェイント |
ミミッキュ | きあいのタスキ | ばけのかわ | じゃれつく | かげうち | じこあんじ | まもる |
ルカリオ | こだわりスカーフ | せいしんりょく | いのちがけ | このゆびとまれ | フェイント | ラスターカノン |
ドンカラス | ヒコウZ | きょううん | おいかぜ | ふいうち | ちょうはつ | まもる |
ワルビアル | いのちのたま | いかりのツボ | じしん | いわなだれ | つけあがる | まもる |
ケケンカニ | くろいてっきゅう | いかりのツボ | アイスハンマー | じしん | いわなだれ | まもる |
ピカチュウ@でんきだま
とくせい:ひらいしん
111(4)-117(252)-60-*-70-142(252)
まさか採用することになるとは思わなかったピカチュウ。
しかし実際に採用してみると、カラスビアルギミックをピカチュウ入り以外で組むのは不可能と言わざるを得ないレベルでしっくりきている。
主にカプ・テテフのいないパーティ、コケコ入りや、壁展開に対して投げていき、基本的にドンカラスを一撃で倒してくる可能性のある方の動きを止めて退場する。
ルカリオでは相手の壁キュウコンに対して、隣に動かれない、キュウコンのタスキを削る、という両方の目標を達成できないので、壁にはしっかり仕事ができるような構成にしてある。
さて、なんとこのポケモン、H4振りだけで臆病アローラキュウコンのふぶき+あられダメージを最高乱数以外耐えることができる。つまりキュウコンの隣にねこだまし+ドンカラスで追い風という動きをするだけでふぶき、オーロラベールいずれについても両対応なのである。
次のターン、ドンカラスで守る+キュウコンにかわらわりを打つことで、キュウコンのタスキの可能性を潰しつつ壁を壊して追い風が展開ができる。
ひらいしんのおかげで追い風を覚えるひこうタイプのポケモンに電気技がとんでこないのはいわずもがな、単体攻撃を食らおうものなら一撃で倒れ、最悪生き残ってもボルテッカーの反動で自主退場できる可能性すらあるという素晴らしい性能をもっている。
というかボルテッカーという技のPPが15もあるのだが、HP種族値35のポケモンが与えたダメージの1/3を自分も受ける技を15回打ち切れることがあるのだろうか。
たまにピカチュウを放置してくる人がいたが、でんきだまボルテッカーのパワーがものすごいのでピカチュウ一匹で相手のパーティが半壊していた。攻撃するたびにピカチュウ自身も半壊していたが。
とくせい:ばけのかわ
131(4)-142(252)-100-*-125-162(252)
じゃれつく/かげうち/じこあんじ/まもる
怒っているポケモンに自己暗示をかけて怒りの感情を共有するポケモン。
主にこのポケモンの怒りの矛先が向けられているのはピカチュウに対してだろう。
まもるを貫通して自己暗示が打てるので、ばけのかわ+じこあんじがすごく強そうに見える。
実際はツボギミックが決まれば対戦が終了しているので、ほとんどなにもしていない。
タスキ+じこあんじは相手のはらだいこや、ナインエボルブーストにも切り返しが効くのでその強さに疑いはないはずなのだが、ほとんどなにもしていない。
シングルバトルでは破格の性能を持っていると思うのだが、ダブルバトルだと全体技で比較的容易に皮が剥がされてしまうし、隣を狙われても困るし、結果として火力のなさばかりが目立ってしまうので、トリルや太鼓暗示を絡めないとなかなか難しいポケモンだなあという印象。
多分構築を煮詰めていったら消えるであろうポケモン。
とくせい:せいしんりょく
177(252)-117-90-135-91(4)-156(252)
いのちがけ/このゆびとまれ/フェイント/ラスターカノン
このルールにおけるギミック始動補助最強のポケモン。
通称"全てがFになるカリオ"(後ほど説明します)
今作から登場したカプ系統のポケモンのHP種族値は一律70。なんとルカリオと完全に同値なのだ!初手でまもられなければカプ・レヒレであろうと1:1をとることができる(他にもコータスやオニシズクモと1:1をとれる)ので、基本的にはいのちがけを選択したい。数的不利をとってしまうので決して強い動きではないがとなりのポケモンを安全に動かす場合には、このゆびとまれから入ることもできる。
1:1交換しつつ自主退場を兼ねている初手せいしんりょくスカーフいのちがけは、お互いの残ポケ数が3:3、追い風ターンを最大限に残しながら裏のエースを降臨させることができ、こうしたギミックの始動においては非常に性能が高いと言える。
また、最近スカーフガブリアスが多い気がするが、地震でこだわる場合にはドンカラスに一切ダメージが入らないので問題ない。構築段階で初手の臆病スカーフテテフをケアする余裕がないので、初手のテテフにはいのちがけで突っ込むしかない。(このゆびとまれを選択してもマジカルシャインでドンカラスが倒されてしまうので。)
そしてこのルカリオの最も評価すべき点は、英語に直した時に全ての技がFから始まっているのである!
Final Gambit / Follow Me / Feint / Flash Cannon
オシャレすぎる!
ドンカラス@ヒコウZ
とくせい:きょううん
197(172)-117-110(220)-125-87(116)-91
おいかぜ/ふいうち/ちょうはつ/まもる
前述した通り、ルカリオやピカチュウの手厚い保護のもと追い風を展開するポケモン。
確定急所ふいうちで味方のワルビアルやケケンカニを刺激する強運の持ち主。S関係を無視していかりのツボをもったポケモンが行動する直前にツボを突くことができるのが本当にえらい。これのおかげで裏にケケンカニがいる場合は、トリルの可能性がある相手にもある程度は臆さずに追い風を押すことができる。
そしてなんといっても特筆すべきはサイコフィールド下でも味方に対してなら先制技が通るのだ!さすがの不思議空間も仲間同士の内輪もめには介入してこないということだ!(仲間割れを想定していなかったとも言える)
ただ、A0とはいえ一致威力80技なので、ワルビアルやケケンカニに対して20~30%ほどダメージが入ってしまう。
さらに言えば悪タイプなのでいたずらごころ絡みの技の影響を受けないし、ふみんだからねむりごなも効かないパーフェクトモンスターである。ふみんじゃないけどな。
HBは特化鉢巻ウインディのフレアドライブを確定耐えまでHBに寄せてH=B+Dになるようにしてみた。意地ミミッキュのじゃれつくも耐えるし、カプ・コケコのダブルダメージ珠マジカルシャインも耐えるし、アローラキュウコンのダブルダメージふぶきも耐える。
耐久に振り切っているだけあって「あ、なんか意外と耐えるな」って感じ。でも「え、お前それも耐えなられないの」ってなる時もあるから多分耐久がないんだと思う。
ワルビアル@いのちのたま
とくせい:いかりのツボ
171(4)-185(252)-100-*-90-144(252)
じしん/いわなだれ/つけあがる/まもる
いかりのツボといえばこのポケモン。味方からふいうちを食らって怒るのは当然である。怒ったあとのぶんまわすでHBドンカラスのHPが半分減る、まさに倍返しである。
意地っ張り命の球にすると+6ぶんまわすでH振りテッカグヤが乱数1発 (81.3%)、+6地震でHB特化ポリゴン2が乱数1発(43.8%)。
いわなだれ、ぶんまわすとつけあがるは選択。なんだかんだワイドガードを持ってるポケモンは一定数いるので、全体技のみで固めてしまうのは良くない気がする。ぶんまわすは命中安定の一致技だが、バルジーナや、カプ系統が半減してくるので通り自体はイマイチ。
6段階上昇140つけあがるはパワーがすさまじく、半減だろうが関係なく一撃で倒すことができるので、上記の技構成に落ち着いた。
最速にしても臆病テテフは抜けないので相手のおいかぜ+カプ・テテフには100回対戦して100回負けることができる。やめていただきたい。
また、コータスドレディアのドレディアは控えめらしいので、こちらが陽気にするメリットがあまりないように思う。火力足りなそうだし。
ケケンカニ@くろいてっきゅう
とくせい:いかりのツボ
193(164)-202(252)-97-*-99(92)-43
相手のトリックルームに追い風展開でどうやって対応しようかと考えた結果このポケモンにたどり着いた。見た目が気持ち悪すぎる上、めちゃくちゃよわいと思っていたので一生育成することはないと思っていたら、案外その時はすぐ訪れてしまった。
空気の読めない追い風をしてしまった罪深いドンカラスでこのケケンカニにふいうちをうちツボを発動させていく。できることならまもるをうまく絡めておいかぜがやむのを待ってから動かしたいが、実数値43以上のトリルアタッカー相手なら追い風下でも上から動くことができる。
Aに振り切るのは確定として、カプコケコのメガネマジカルシャインやポリゴン2の攻撃を耐えるためにHD方面に寄せている。
選出と立ち回り
基本選出
初手: + or
後続:@1
初手にピカチュウをおいた場合は、終盤にゆびでサポートできたり数値で削ることができるルカリオを後ろに選出することも多いです。
対トリル
初手: +
後続: +
相手のトリルに完全に身を委ねるならルカリオ、トリルを貼られなかった場合を想定するならワルビアルを選出します。ポリゴン2は挑発でトリル展開を阻害できますが、吠えるやフリーフォール等を採用していないのでそれ以外のメンタルハーブ持ちには基本的にトリルを貼られてしまいます。
おいかぜ+ねこ(1ターン)
まもる+死ぬ(2ターン)
ちょうはつ+ゆびで死ぬ(3ターン)
まもる+まもる(4ターン)で
追い風が切れてトリルが1~2ターン残るので+6の鉄球ケケンカニで4タテしてください。だいたい無理です。
"どうしてもトリル展開を止めたい"という場合には、初手にルカリオ+ミミッキュでいのちがけ+じゃれつくでトリル役に集中するくらいしかないと思います。(これもゆびもってるポケモンがいたら無理ですが)
最後に・・・
こういう爆発力のあるギミックを軸とする場合は、少なくとも70%以上の対戦相手に対して基本選出が出せる、勝てるように組むのがまずひとつ目標だと考えています。◯◯がいるからこいつは出せない・・・みたいな感じで基本選出が歪んでしまうケースが頻発するようであれば、個人的にはそのギミックはまだ改良できるか、そもそも環境にあっていないかのどちらかだと思います。
僕の場合シングルバトルでもそうなのですが、自分のやりたいことを相手に押し付けて勝つのが好きなので、同じ選出と同じ行動をしているだけで良いような、とにかくラクに勝つことを目標としています。
対戦中に交代を繰り返したり相手の行動を読んで臨機応変に対応したりするのがむずかしいし、もっといえばこのルールは時間が短いです。それなら対戦中に考えることを最小限におさえ、機械的に選択をしているだけで勝てるように構築を組めば良い、というのが僕の考え方です。なので、今も昔もこういうタイプの構築になっています。
一応このギミックを用いたパーティでの最高レートは30勝13敗1790ちょいです。
INCでは30戦してリタイアしましたが、思ったより勝てませんでした・・・。
かなり構築の相性に左右されるパーティという印象でしたね。
ではまたどこかで。